センター長挨拶

松井 利郎
九州大学 五感応用デバイス研究開発センター
センター長 松井 利郎

九州大学五感応用デバイス研究開発センターは、令和2年(2020年)11月1日をもって第2期に入りました。本センターは、九州大学 高等研究院 都甲 潔特別主幹教授を旗手として平成25年11月1日に設置された「味覚・嗅覚センサ研究開発センター」を基盤として、平成30年11月1日より五感応用デバイス研究開発センターとして活動しております。   ヒトは外界の情報を収集し、周囲の環境を認知・分析、そして理解するために視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚に代表される「五感」を動員しております。したがって、ヒトは各感覚によるセンシングシステムから多数の情報を同時かつ独立して感知したのち、感覚情報を脳にて知覚・統合することで、多様な状況を認知していますので、受容する感覚とその応答機構はまさに究極のセンシングデバイスといえます。 「味覚」と「嗅覚」は外的化合物を対象としてその量質を評価する化学センシングであり、「視覚」「聴覚」「触覚」は光、形状、温度、圧力、周波数といった「物理情報」センシングといえます。したがって、第2期スタートにあたり、同じ化学センシング機能からなる「味覚」と「嗅覚」の2つのセンサ部門を融合し、新たに「味覚・嗅覚センサ部門」を設置することになりました。合わせて、「味覚・嗅覚センサ部門」、「感覚生理・医療応用センシング部門」、「視聴覚部門」の機能的融合を図り、産官学の接点となる「五感融合ホイール部門」を新設いたしました。まさしく、既存3部門のホイール役として機能化できればと考えております。 システム情報科学研究院、農学研究院、医学研究院、歯学研究院、芸術工学研究院、基幹教育院および人間環境学研究院、さらには九州大学病院に所属する多才な研究者が参画しており、新設した五感融合ホール部門を核として本センターが文理を超えた広範な学術領域のプラットホームになればと願っております。今後とも皆様のご理解とご支援のほどよろしくお願い申し上げます。