センター設立の目的と目指すところ

ヒトは視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚、すなわち「五感」を通じて、それぞれのセンサから、多数の情報を同時かつ独立して収集し、それら感覚情報を脳にて知覚・統合することで、多様な状況を把握・理解可能な、究極のセンシングシステムといえます。しかしながら、このセンシングシステムをデバイスで再現することは現時点の科学技術では不可能とされています。五感に関わる研究はこれまでも盛んに行われていますが、各感覚器のセンシングメカニズム、知覚・認識機構に関する研究は個々の感覚に特化して個別に行われており、五感はおろか二感覚の融合でさえ難しく、発展途上な学問領域であるのが現状です。従って、世界に先駆けて、五感融合・応用を一つの研究拠点として構築することは挑戦的且つ極めて意義のある試みです。
そこで本センターでは、九州大学が世界に誇る最先端の味覚・嗅覚研究を基盤として、視聴覚研究ならびに脳知覚科学との有機的な融合を図り、末梢から中枢までを一体と捉える世界初の五感融合デバイス、すなわち、「サルヴィタスデバイス」開発を目指します。本センターは、個々の感覚センシングに対応する3部門(味覚・嗅覚センサ部門、感覚生理・医療応用センシング部門および視聴覚部門)において、高度な研究開発を実施するとともに、それら優れた技術を統合するための融合研究プラットフォームである「五感融合ホイール部門」を核とした革新的に五感融合デバイス開発を目指します。具体的には、九大発(初)の脳力センサ、聴力可視化、さらには、健康力センサを開発し、健康長寿・安心社会の実現・社会実装を目標として設定しております。

五感応用デバイス研究開発センター 組織図と融合研究

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